安全保障輸出管理(学内限定)

安全保障輸出管理とは?

安全保障輸出管理とは、国内における重要な先端技術情報等の外国への不用意な流出、及びその漏洩によって大量破壊兵器及び通常兵器への転用を防ぐために課せられている管理のことです。

この管理は、外国為替及び外国貿易法(外為法)により厳格に規定されているもので、外為法では、経済産業大臣の許可を取得しないで国際的な安全保障に係る貨物の輸出や技術の提供を行った場合に、刑事罰と行政罰が科せられることとなります。これらの罰則は、当該輸出・提供を行った個人だけでなく当該個人が属する法人も対象(両罰規定)となりますので、注意が必要です。

刑事罰 最大で1,000万円以下の罰金・最大で10年以下の懲役
行政制裁 最大で3年以内の、輸出・技術提供の禁止

規制対象

対象となる貨物や役務(技術)のいずれにも、リスト規制及びキャッチオール規制という2つの規制が適用されます。規制対象に該当するときは経済産業大臣の許可を得ることが義務付けられています。

法律 対象(大学関係) 規制
外国為替及び外国貿易法(外為法) 第48条 貨物:海外出張や共同研究等に伴う計測機器、実験材料、部品、生物材料、細菌類等の国外への持ち出し ・リスト規制:リストに記載された武器、兵器の開発等に用いられる恐れの高い貨物や役務を規制。全地域向けが対象。・キャッチオール規制:リスト規制以外でも、大量破壊兵器の開発等に用いられる恐れのある貨物や役務を規制。米、加、EU諸国等の27カ国(ホワイト国)向け以外の全地域向けが対象。
第25条 役務:海外出張や海外からの研究者・留学生等の受入に伴う技術の提供、指導

次のような場合は、原則として経済産業大臣の許可は必要ありません。

・海外出張等で本人が使用するために市販のパソコンを携行し、持ち帰る場合

・学会誌への論文の投稿や学会発表など、技術を公知とするための行為

詳細については「規制の許可例外について」を確認下さい。

リスト規制の対象

直接的に兵器等を連想させるもの以外にも、例えば高強度・高機能の先端材料、高性能な加工装置、高性能のコンピューター、集積回路、センサー、光学部品等のもの、あるいはそれに関わる技術が対象となります。(全地域向け対象)

具体的には以下のHPを参照ください。

規制対象貨物・技術のマトリクス表

※リスト表に使用されていない用語では検索できませんので、下記の「読替が必要な用語(例)」をご参考いただく等、ご注意ください。

参考:読替が必要な用語(例)

キャッチオール規制の対象

リスト規制対象以外でも事前許可が必要なものがあります。主に、需要者や用途先から大量破壊兵器等の開発等に用いられる懸念のあるものを規制しています。キャッチオール規制においては、輸出する相手国によって対応がかなり変わります。輸出管理を厳格に実施している以下の26カ国(ホワイト国)を仕向地とする場合は規制の対象となりませんが、2.輸出先が国連武器禁輸国並びに地域 又は 3.外国ユーザーリストに掲載されている企業や組織だった場合、経済産業省の許可が必要となります。

1.ホワイト国とは、TWA/NSG/MTCR/CWC/BWCの全てのレジュームに参加し、安全保障輸出管理を積極的に推進している国

北米 アメリカ合衆国、カナダ
南米 アルゼンチン
欧州 アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、チェコ、ドイツ、デンマーク、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ノルウェー、ルクセンブルク
アジア 大韓民国
大洋州 オーストラリア、ニュージーランド

2.国連武器禁輸国並びに地域とは、内戦や停戦状態で極めて軍事的緊張が高い国

アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エリトリア、イラク、 レバノン、リベリア、リビア、北朝鮮、ソマリア、スーダン

3.外国ユーザーリストアップ国とは、大量破壊兵器等との関連性指摘されている等、その懸念が払拭されない企業・組織が存在する国

イスラエル、イラン、インド、北朝鮮、シリア、台湾、中国、パキスタン、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、香港

対象地域:ホワイト国を除く地域

対象となるもの:関税定率法別表第25類から第40類まで、第54類から第59類まで、第63類、第68類から第93類まで又は第95類に該当する貨物(リスト規制品以外で食料品や木材を除く全ての貨物、技術)

「大量破壊兵器の開発等に用いられるおそれの強い貨物40品目リスト」に記載の貨物等の輸出や技術の提供及び、経済産業省により大量破壊兵器等の開発等に関与している懸念がある企業・機関として公表・提供された「外国ユーザーリスト」に掲載されている企業・組織に対する輸出や当該組織等からの留学生等の受け入れには注意が必要です。

キャッチオール規制対象の詳細は以下のHPを参照ください。

http://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo03.html

技術の提供と貨物の輸出に関する各発生時点と許可対象地域

技術の提供と認定される時点と貨物の輸出と認定される時点は、異なります。

特に、日本国内でも海外から受け入れた研修員で、入国後6ヶ月を経過していない人は非居住者となり、この人へ該当する技術を提供する場合には、提供する時点前までに経済産業大臣から役務許可を取得する事が必要になります。

1.技術の提供(役務取引)の発生時点

①貨物の形による技術データを提供する場合

その貨物を非居住者に引き渡した時、又は非居住者に提供することを目的として外国に向け船舶又は航空機に積み込んだ時のいずれか早い方

②貨物の形によらない技術を提供する場合

これらの技術が非居住者に提供された時。日本国内においても非居住者への技術データの提供や技術支援等も該当する。

2.貨物の輸出の発生時点

貨物を外国へ向けて送付するために船舶又は航空機に積み込んだ時

居住者と非居住者

居住者 非居住者
日本人の場合①我が国に居住する者②日本の在外公館に勤務する者 日本人の場合①外国にある事務所に勤務する目的で出国し外国に滞在する者②2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者③出国後外国に2年以上滞在している者④上記①~③迄に掲げる者で、一時帰国し、その滞在期間が6月未満の者
外国人の場合①我が国にある事務所に勤務する者②我が国に入国後6月以上経過している者 外国人の場合①外国に居住する者②外国政府または国際機関の公務を帯びる者③外交官または領事官及びこれらの随員または使用人(ただし、外国において任命または雇用された者に限る)
法人等の場合①我が国にある日本法人等②外国の法人等の我が国にある支店、出張所その他の事務所③日本の在外公館 法人等の場合①外国にある外国法人等②日本法人等の外国にある支店、出張所その他の事務所③我が国にある外国政府の公館及び国際機関
  その他、合衆国軍隊等及び国際連合の軍隊等

経済産業省 Q&A(大学・研究機関向け)